【パニック障害】ブラック企業に勤めていたいい加減なくせに心配性のおじさんのパニック発作克服記

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パニック発症

今から30年前、ワシは終電の一本前の電車で家路についていた。車内はそこそこの混み具合。ぼーっと座っていたワシは手に汗をかいていることに気づく。その手が小刻みに震えだす。座っているにも関わらず動悸が激しくなっていく。何だこれ?と思いながらどうしょうもなくこの場から逃げたくなった。

ちょうど着いた駅で電車から飛び出す。震える足でベンチを探し、たどたどしく歩きながら救急車を呼ぶことを決断すると、なぜだかスーッと落ち着きはじめた。不審者を見つけた番犬みたいに激しく吠えていたワシの心臓は、不審者の手に持ってるのがペディグリーチャムとわかった時のうように大人しくなっていった。

この時はネットも今ほど普及していなかったので、この症状が一体何なのかわからなかった。でも今から思えば、この時、パニック障害が発症したんだと思う。そしてこの日を堺に予期不安(※)がはじまり、時々パニック発作が起こる。パニック発作が起こると予期不安が強くなるという悪循環が始まった。

予期不安とは、パニック発作を一度経験して、あの恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安感が生じることです。パニック発作にはこの予期不安が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強くなっていき症状を悪化させていきます。

パニック障害深刻化

8年勤めた限りなくブラックに近い会社が倒産した日、ワシは家から歩いて数分のコンビニへ行くのも怖くなった。その時のワシの心は「体調悪いし絶対パニックになるじゃん」「パニックになったら白い目で見られるじゃん」「だったら行かないほうがいいじゃん」「家がいちばんの安全圏じゃん」「うまい焼肉のタレはジャン」というぐあいだった。

でも、生粋の貧乏人は家に引きこもってばかりいられない。失業給付金をいただくためにハロワにも行かなきゃならない。

ワシは虫歯の奥歯を食いしばり、片道20分のハロワまで向かう。もちろん急行はパス。逃げたい時に逃げれないから。鈍行を選んだけれど駅につくたび降りて休むを繰り返してたら、結局2時間もかかった。なんだか、ものすごく人生の敗北感をあじわった事を覚えている。

パニック障害通院の日々

こんなボロカスなワシを奥さんは外へ連れ出してくれた。ぶらりもしないのに途中下車を何度しても付き合ってくれた。ただそっと近くにいてくれた奥さんにはとても感謝している。でもそんな日が何度も続くとこのままじゃいけないと思い始める。そしてやっと病院へ行くことにした。(遅い!遅すぎる!)

最初のパニック発作が起こってから20年も経過していた。この頃はまだパニック障害だと診断されたわけでもないので、よく行く病院で診てもらう。すぐに近所のメンタルクリニックを紹介された。

そのメンタルクリニックの医師に自分の状態をすべて打ち明けた。普段から肩こりがひどいこと、睡眠中息苦しくなり飛び起きること、子供の頃から死への恐怖心が強いこと、医師はうんうんとうなづく。そして、予期不安の時、呼吸が浅くなりお腹が大きくなる事を伝えると「え?」と驚きの表情を見せる。まるで新しい病気を発見したかのように。

結果、その医師はワシのお腹が大きくなる問題には回答せず「では、薬で様子を見てみましょう。一ヶ月後また来てください」とだけ言って笑顔で送り出された。

本当はあまり良くないことだと思うけどワシは病院を4回変えた。だいたい一年に一回ペースで。今になって分かったことだけど、遠出の恐怖感とか電車は鈍行しか乗れないとか狭まった行動範囲を元のレベルまで戻すのは自分の行動次第だってこと。処方された薬を飲めばある程度は軽減されていくけど、ちぢこまった行動範囲は自分の行動で広げていくしかないのだ。

この当時ワシを救ってくれたモノたち

パニック発作からワシが学んだことのひとつは、目を逸らすこと。パニックが来そうだと思った時、違うことに目を向け集中することでやり過ごすようにした。まぁ、あまり成功したことはないけれど。その意味で不安に心を奪われないように、いろんなことに没頭しようとした。そんな時にワシを救ってくれたモノたちをご紹介します。

●映画「天国はまだ遠く」

パニックがいちばん深刻な時に観に行った映画です。ゆったりと穏やかな作品だからか、最後まで没入して観れました。「天国はまだ遠く」は2008年11月公開。原作は「そして、バトンは渡された」などの瀬尾まいこ、監督は「夜のピクニック」などの長澤雅彦、主演は加藤ローサ、徳井義実。山奥の民宿で自殺未遂をしたけれど死にきれなかったOLが自然の生命力にふれたり、人々のやさしい気持ちにふれて再生する物語。透き通る風景の美しさと言葉だけじゃないないやさしさが、しんしんと胸に染み渡るワシのいちばん好きな作品です。今でもamazonで購入できます→

●ももいろクローバーZ

言わずと知れた国民的アイドルグループ。いろんな現場にワシを連れ出してくれました。でも、ライブ会場はチケットを取る時に席を選べません。何度も前後左右人に囲まれて予期不安に陥ったことも。そんな時はずっと観てたいと思いながら早く終われと心のなかで叫んでました。でも次のライブにも行く。なぜか?ワシがアホだから。そして、彼女たちの成長を見逃したくないから。これは子供の運動会でビデを回す親の気持ち。あともちろん、ライブパフォーマンスの必死さにパワーをもらえるから。元気がない人にはサプリより「ももいろクローバーZ」をおすすめします。効果てきめんです。

●イヤホン

イヤホン・ヘッドホンはパニック障害の敵と言えるかも知れません。外の音を遮断して音楽を直接耳に注ぎ込むから圧迫感が凄くて恐怖に感じる方も多いと思います。でも身体に悪いって知りながら食べたくなるものってありません?それが美味しかったらなおさらでしょ?ワシは、解像度が高めで、中音から高音をキレイに鳴らすイヤホンが好きで愛用しています。今までならぼやーとしていた風景がくっきり見えてくるような解像度の高いイヤホンで聞くと、ヴォーカルの吐息とかコーラス、今まで聴こえなかった楽器の音が聴こえてくる。だからそれに集中できて、不安から意識を逸らすことができたのです。ちなみにワシの愛機は『Fainal B3』こちらでご紹介しています。

パニック障害克服への兆し

2020年に入りコロナが蔓延し4月16日には緊急事態宣言が全国に拡大。そんな中で世の中の気分が暗くなりSTAY HOMEしなければならない日々が続きストレスが蓄積されていきました。

パニック障害のベテランとしては、その空気を察知してストレスを解消したいと思い始めたのです。で、なんとなく始めてみたのが朝散歩。朝の30分速歩きで歩こうと。30分じゃなくて10分でも20分でもいい。とりあえず外に出ようと言うような、ゆるゆるな目標を立てて開始しました。

これが想像を遥かに超えて気持ちいい!し、楽しい!自ら動いて汗をかく心地よさもあるし、目標の時間を歩ききった時の達成感は最近ではなかなか味わえなかった感動があります。

2021年5月、今では週に3〜4回歩くようになりました。体重も8kg落ちて72kgに。体調も毎日良くて、何より、パニック発作も予期不安もこの一年一度もありませんでした。

パニック障害に苦しんでいる方、本当に少しずつでいいので、目標を立てつつ朝散歩を楽しんでみてください。きっと何かが変わるはずです!

なぜ、朝散歩が良いのか?

ベストセラーになった「アウトプット大全」、「インプット大全」の著者でもある精神科医・樺沢紫苑さんは朝散歩を推奨しています。詳しくは、下記youtubeを御覧ください。

朝散歩は睡眠の質が良くなる、骨を丈夫にしてくれるビタミンDが生成される、体内時計がリセットされるなど、たくさんのメリットがあります。ではなぜ、朝散歩をすると睡眠の質が良くなるのでしょうか?

夜深い眠りに入るためにはメラトニンの分泌が不可欠なんです。メラトニンが作られるためには、日中に分泌されるセロトニンが必要となります。朝から昼に作られるセロトニンを原料に日没後からメラトニンが作られはじめ、メラトニン濃度が増えて行くと眠気が強まり、深夜にメラトニン濃度はピークに。だから深い眠りが得られるのです。

そのためには、朝、セロトニンを活性化させることが重要。セロトニンを活性化する方法は、●朝日を浴びる、●リズム運動、●咀嚼(噛むこと)の3つです。つまり、朝散歩する(朝日を浴びながらのリズム運動)散歩の後に朝食を食べる(咀嚼)そうすることで最強にセロトニンを活性化することができ、夜、メラトニンが分泌されるのです。

セロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質で「レアルアドレナリン」「ドーパミン」と並び体内で特に重要な役割を果たす“三大神経物質”の一つです。 セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れ、暴力的になったり、うつ病を発症する原因ともなります。 現代人の多くはセロトニンが不足した状態にあるといわれています。

パニックとともに生きる

この一年、パニック発作もなければ予期不安もない。けれど、これで寛解したとは思いません。だってパニック障害の寛解率は30%なのだから。ストレスが蓄積されたら突然発作が起きるなんてことも十分考えられる。でも悲観的にはなっていません。パニックに目も心も奪われるなんてことはもう辞めたから。人生の時間は限りがある。悲観的になる時間の余裕がないんだ。もっと楽しく笑っていきたいから。みなさんも笑って楽しい日々を送りましょう!

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