「ちょうどこの高さ。」ヤフーの屋外広告から見る東日本大震災の驚異。

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東日本大震災を自分ごとにするために

2017年3月、銀座のソニービルに屋外広告が掲出された。白地に文字だけというシンプルなデザインの真ん中あたりに、一本の赤い線が引かれている。その上には「ちょうどこの高さ。」の文字。震災から6年経ち記憶の風化が進んでいた時に制作者は「災害の記憶が風化してしまうのは、自分が被災しておらず、身体に体感として残っていないからではないか。ならば、3.11の記憶をもう一度体感できる形でメッセージできればいいのではないか」と議論しこの屋外広告が生まれた。確かに、実際に私がこの広告を仰ぎ見たとき、恐怖を超えた悲しさが胸を支配した。人間の小ささ、無力さを実感した。今回はこの広告のコピーをご紹介します。

2017年3月銀座ソニービルに掲出

3月11日。この日が来るたび、私たちはあのときのことを振り返る。東日本大震災から、早くも6年が経った。災害なんて、もう起きるな。毎年のように私たちはそう思うけれど、災害はいつまた、たぶん、いや確実に起きてしまうだろう。あの日、岩手県大船渡市で観測された津波は、最高16.7m。もしも、ここ銀座の真ん中に来ていたら、ちょうどこの高さ。想像よりも、ずっと高いと感じたはず。でもこの高さを知っているだけで、とれる行動は変わる。そう。私たちは、今、備えることができる。被災した人たちの記憶に想像力をもらい、知恵を蓄えることができる。あの日を忘れない。それが、一番の防災。ヤフーはそう思います。

経験を学びに変えるために

2019年3月、MAGNET(マグネット)by SHIBUYA109に再び掲出される。平成最後のこの年にあの震災を振り返ってもらうために。コピーの内容は2019年版にアップデート。経験を学びに変えて備えなければいけないと強く呼びかけている。

2019年3月渋谷・MAGNET(マグネット)by SHIBUYA109の壁面に掲出

平成23年3月11日。8年という時間が流れても、この日は、私たちにとってあまりに特別な意味を持ち続けている。東日本大震災の記憶。悲しみだけで終わらせてはいけない。経験を学びに変えて備えなければいけない。当時、岩手県大船渡市で観測された津波は最高16.7m。もしここ渋谷に来ていたら、ちょうどこの高さ。平成は終わるけど、時代は次へと進むけど、あの日のことは忘れないで。ヤフーはそう願います。

最後に

2021年、あの日から10年。「災害なんて、もう起きるな。」と願いながらも日本の各地で、世界の各地で災害は起こっています。この地球にいる限り、そんな恐怖からは逃げられないようです。それなら、正しく恐れたい。もしもの時のために、とるべき行動をイメージしながら、備えましょう。あの日の悲しみの経験を学びに変えて。

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